2024年、FINIS,-ISとしての変化と葛藤。

2024年4月1日からスタートしたyouのソロプロジェクト "FINIS,-IS(フィーニス)" の始まりから現在までの心境をインタビュー形式で語ってもらった。

取材・文 / クリシタテッペイ。



嘘から本当へ、そして「本気」と「趣味」の瀬戸際。


── FINIS,-ISの活動開始から現在までで、なにか大きな変化はありますか?

そうですね、最初はただのよくあるエイプリルフールの嘘というかネタ的なところから始まったんですけど、なんだかんだで今年一年間ずっと制作や活動をしていました。

メンダシウム(1stシングル)、メモリア(2ndシングル)と、モノクロな世界からスタートして、まあ所謂インディーズ初期的なイメージで顔もほぼ出さない感じで、ちょっとミステリアスを装って(笑)やってたんですが、メモリアを作ってる段階から次の構想が出て来てしまって、次はもっと色の付いた大きな世界感を作ってみたいという欲が出来ててそこでNO DISTANCE NO BORDER(3rdシングル)を作ることになるのですが、実はここで大きな変革があって・・・。



── それはどんな?

メンダシウムとメモリアは作曲者が同じなのですが、ちょっとその方と色々あって、この2曲でもうお願いするのはやめようということになったんです。

その時自分は作曲者との向き合い方にかなり悩んでいて、今思えばすごく自分が幼稚で我儘だったと思うのですが、その方をある意味バンドの仲間みたいに思っていた節があって、でも全然そういう存在ではないんですよね、その方は作曲を仕事として請け負っていて、一緒に良いものを作る。という意味では同じなのですが、同じ目線で試行錯誤して作っていくということではないんですよね。当たり前なんですが、その線引きが上手く出来ていなかったということです。


── 一緒に曲を作るといっても、バンドメンバーではないですからね。

そう。で、この2曲で終わって。次はどうしようと考えているところにNO DISTANCE NO BORDERのイメージが浮かんでいたので、別の作曲者を探したんです。

今振り返ってもその方との出会いも大きかったと思います。これを作っていただいた方はミュージシャン兼エンジニアもしている方で、とにかくその全てプロだったんですよね。仕事の丁寧さや、作りたい曲への理解、アレンジも全部、自分が口出すところはほとんどないってくらい高いレベルで。バンドメンバーなんてとてもじゃないけど思えない、明確な線引きのようなものがあったんです。あとは過去の作曲者の方にしたような自分勝手なことはしないという自分の中での規制もあった。なので、曲の雰囲気や細かいアレンジもほぼほぼお任せって感じでしたね。

自分が口を出したのはイントロとアウトロの効果音を入れたいってことくらいでした。


── そこまで作曲の仕方が変わって、上手くいったんですか?

そこで勉強することが沢山あったんですよね。ただ歌はめちゃくちゃ苦労しましたね。この曲は全編英詩ということもあって、英語の発音や、シンプルなんだけど簡単には歌えないメロディーの難しさや、それに重ねてその時自分の喉の調子が最悪で、そういうのも初めての経験だったので、歌を録るだけで一ヵ月くらいかかった気がします。でも最後にはなんとかやり切れたのでこれを作った時の達成感はかなりありました。


── ここまでで3曲作ったわけですが、FINIS,-ISの活動というのはずっと続く?

正直そこはもはや簡単に結論が出せるものではなくなって来ています。自分はこれまでただの音楽ファンでしかなくて・・・まあ今もそんな変わってはいないんですけど、音楽で自分の気持ちとかをアウトプットすることに喜びやワクワクを常に感じています。今まではそれを自分以外の人たちに求めて、期待したり、時には落胆したりすることも正直ありました。

でも今はそれを0から自分で作って、また壊したりってことが出来る。正直な気持ちを言うと、これを自分の出したいものが全て出し切るまでは続けたいと思っています。

でも自分は売れてるわけでもなんでもないので、これを生業にすることはおそらくほぼ無理なんですよね。普通に仕事して、そこで得たお金を音楽制作に回す。という形でやっているので、自分で作曲でも始めない限りはいつか終わりは来るかもしれない。今は多くの人に聴いて欲しいとかはそんなに思ってなくて、自分のやりたいことをやることに意義を感じているので、今はなんというか、"本気の趣味"ってくらいで捉えています。


── FINIS,-ISのこれからの未来の展望は?

今まだリリースしていないけど進行中の曲も何曲かあるので、それを少しずつ作って、順々に出していこうとは思っています。展望とかは特になくて、その時に作りたいと思った曲や世界を作って表現するって感じです。まあでもこれまでやったことないこともしたいとは常々思っています。ライブはまだまだ出来る気がしないけど、例えばスタジオライブをRECしてYouTubeで発表したり、他のアーティストのカバーとか。他にも思いついてやれそうだなと思ったら色々と挑戦はしたいですね。自分は基本的に挑戦とか頑張るってことは苦手なタイプなんですけど、音楽だと不思議とやれたりするんですよね。


── 2024年を振り返って。

そうですね、今年は音楽活動を始めて、昨日までこの世になかったものを今日ここに作り出す。という行為の神聖さや喜び、時には苦しみも経験して、ちょっとは成長したかなって思います。NO DISTANCE~の後に、ハロウィンの特別枠でシニガミシャイニンって曲や、JPOP、アニメ、ボカロ的な世界に挑戦したディスイズマイヒーロー(4thシングル)とかもリリースして、一曲出す毎に毎回その世界を表現するアートワークを考えて、全曲MVも作ったり、サブスクに上げたり、これまで別世界の人たちがやっていたことを自分でもするようになったのは、これまでの人生においてもとても大きなことでした。人から見ればまだまだミュージシャンの真似事くらいにしか見えないかもしれないけど、

歌や映像編集なんかもほんとに少しづつだけどレベルが上がってると感じてるし、なによりそういうものを作り出すことにすごく魅力を感じているので、これからも出来る限り続けていきたいですね。



── 2025年に向けて。

来年も引き続き作り続けて、とりあえず目指すは1周年ですね。このタイミングで何かハッピーなアクションが出来れば良いなと今思いました。

その時に自分でもどういうFINIS,-ISになっているかはわからないけど、きっとその時にやりたい純度の高い姿をしていると思うので自分でも楽しみですね。その時にはファン100人くらいになってると良いな(笑)


2024.12.23 you


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